漫画家のうえはらけいたさん(@ueharakeita)がTwitterに作品を投稿したところ、5700回以上リツイートされ、3.4万を超える「いいね」が集まりました。 「才能は努力の結晶」「自分も努力していきたい」と大きな反響が寄せられています。 注目の投稿がこちらです! 天才肌の同期が「立派な一人前のコピーライター」と褒められる一方、主人公の作品は「お利口さんが書いたコピー」と評されてしまいました。 同期と主人公の違いについて問われた時、主人公は「才能」の差だと答えました。 同期はテレビを見たり電車に乗ったりしながらコピーを考えている一方で、主人公は何時間も会議室にこもってコピーを考え出しています。 自分はこんなに努力しているのに、同期は普通に過ごしながらいいコピーを生み出せる――この差は才能としか言いようがない!と主人公は主張します。 しかし、先輩はこれを「才能とは真逆の現象」だと言います。 アイデアとは何かと何かの掛け合わせから生まれるもので、同期のように情報の中に身を置いてひらめきやすい環境を作った方が、いいアイデアは生まれやすいのです。 「才能という言葉に逃げるな。ソイツは成長の一番の敵だ」 先輩は主人公にそうアドバイスしました。 一連の出来事を澄ました顔で見ていた天才肌の同期は、才能があるように見えて誰よりも努力しているという事実をその場で明かすことはしませんでした。 もしかしたら「才能」は誰にもなくて、どれだけ努力できるのかということが何よりも重要なのかもしれません…。
BuzzFeedは投稿者のうえはらけいたさんに話を聞きました。
漫画家になる前はコピーライターとして働いていた、うえはらさん。 今回のエピソードは、その時経験したことをベースに描いたものだそうです。 「4年目くらいの頃、僕は会議室にこもって仕事をすることがかなり多かったのですが、同期に『山手線に乗って、できるだけ外部情報の多い状態でアイデア出しをする』と言っている人がいて目から鱗が落ちました」 このエピソードが漫画の中でも生かされているんですね! うえはらさんが昔受けたコピーライター講座で講師の方が言っていた、 「自分では『そんなに努力してないよ』という人も、努力の部分を自覚してないだけで実際は努力してるから安心するといい」 という言葉も、このお話を考える時に思い出したといいます。
「才能は努力の一番の敵」
漫画内で印象的だったこの言葉は、実際に誰かに直接言われたものではなく、うえはらさんが自身の経験から少しずつ実感していったものだそうです。 「僕は新卒の頃、何かと『才能』や『センス』を言い訳に、自分の能力が低いことを諦めてしまう癖がありました」 「しかし、職場で様々な能力を持ったデザイナーやクリエイターと出会い、漏れなく彼らがみな努力をしていることを知って、『才能』という言葉はむしろ、努力をする上で邪魔になる概念かもしれないなと感じました」 こういった経験が、漫画の中の「才能という言葉は努力の一番の敵」という言葉に結びついたと言います。
漫画家となった今は?
漫画家となった今、「才能は努力の一番の敵」という言葉についてどのように考えているのでしょうか? 「基本的にはこの言葉の通りだと思っています。しかし、この漫画に寄せられたコメントにも書かれていましたが『努力を努力と思わずに出来る人は、やっぱり才能がある人なのだと思う』といった考え方には共感しています」 「『才能がないから』と成長を諦めてしまうのは勿体ないですが、モノづくりにも向き不向きはあるのかもしれない、と最近は考えるようになりました」
投稿への反響について
うえはらさんは漫画家として活動し始めた時から「才能がないから夢を諦める」と考える人を、一人でも減らしたいと考えるようになったと言います。 「今回の漫画に共感してくださる人が多かったことから、やはり『才能』という言葉に苦しめられたり、何か感じる所のある人が多くいるということを再認識することができました」 「これからも『才能』という言葉の捉え方を変えられるような漫画を描き続けていこうと思います」